アリーズ inAぇ!ワールド 考察①
「第2回公演 アリーズinAぇ!ワールド」
12月26日放送 第2幕 新たなステージへ
さて、この回は最年長覚醒の回!!
もう冒頭の「最年長末澤 演技覚醒」だけで叫び声をあげたのはこの私です(大爆笑)
ということで、ここからはがっつりとネタバレが入りますので、これから見るよ、と言う方はご注意ください。
またここから話す内容はあくまで私個人の感想であり、考察です。
その点をご了承いただけましたら、幸いです。
【あらすじ】
サラリーマン二人が路上生活をしている調理男と釣り男と一緒に生活をしている。
調理男と釣り男から路上生活のいろはを学ぶ二人。
二人は気が合って一緒だったというが、色々思うところがあってハート製菓という一流企業を辞めたという。
会社は変なやつばかりで辞めた、家や会社に縛られて生きる方が不自由だと思ったから路上生活をしようと思ったと話す二人に調理男が言った。
調理男「けどな?一回だけ言うで。悪いこと言わんから戻り?」
アリマ「戻るってどこに?」
釣り男「あっち側に」
さらに新聞を拾ったらまっさきにどこを見るかという釣り男の問いかけにアリヨシは答える。
アリヨシ「求人?」
調理男「あほ、天気予報や!覚えとけよ?文字通り死活問題やぞ」
調理男から焼いている魚を見ているように言われたアリーズの前に、スーツを着たウサギが現れる。
もうこのリチャくんウサギがスタイリッシュだのなんのって!!(大声)
ウサギ「うっそー、遅刻やん!」
そのウサギは、二人の目の前の魚を取って行ってしまった。
とられた魚を取り返してくるように調理男と釣り男に言われた二人はウサギを追いかける。
そしてマンホールに落ちた二人は、自分が子どもの時のお母さんや小学生の時の担任の先生を見かける。
ではこれはタイムトンネルでタイムスリップしているのか。
しかしトランプ大統領がマスクをしている姿を見かけた。
その後で二人はシュレッダー屑の中へと落ちることとなる。
シュレッダー屑の向こうに二人は扉を見つけた。
屑をかき分けて行けば、ドアを開けばその中に小さなドアがある。
そのドアを開けば、もう一つ小さなドアがあった。
小さすぎて、入れそうにないドアを前にして、出られへんと言う二人の元にクスリ屋が現れた。
クスリ屋「出られるさ。薬買いなよ」
クスリ屋はこの会社の新入社員だろ?新入社員ならクスリ買いなよと言いながら、その顔を歪めた。
クスリ屋「新入社員なのになんだその格好は。ちゃんと上着を着な」
ぱちんと指で音を出し、上着を着せたクスリ屋は二人に色々な薬を飲ませる。
身体が大きくなる薬、気が小さくなる薬、気が大きくなる薬、その他色々な薬。
気が小さく薬を飲んだアリマが「あかん、俺ら一生ここからでられへんねや」と言ったとき、クスリ屋は励ます。
クスリ屋「大丈夫、頑張ったらなんでもできるよ」
最終的に薬で身体を縮めることができた二人。
扉の向こうに行こうとしたときに、クスリ屋がちょっと待ちな、と呼び止めた。
クスリ屋「そのドアをくぐるということは覚悟はできてんだよなあ?この世界を受け入れるということだ。一度そのドアを開いて足を踏み入れるということはその向こう側に何が待っていたとしてもそれを受け入れるということなんだ」
アリマ「このドアの向こうには何があるんですか?」
クスリ屋「見る前に飛べという言葉があるのを知っているか?ドアの向こうに何があるか、それを知らなければドアをくぐれないというであれば、お前は一生ここにいてこの狭い自分という殻に閉じこもり、」
その話が終わる前に二人はドアをくぐって行ってしまった。
〇釣り男のいう「あっち側」とは
さて、釣り男のいう「あっち側」とは?と疑問が残るわけですが、これは最後の放送まで行ってから考えようと思います。
(ところで全部の放送回の考察を書かずに、それぞれの放送回の考察を書き上げ次第ブログの記事にしてるので、もし忘れてたら教えてください)
〇新聞でまっさきに見るのは求人と答えるアリヨシ
このアリヨシの答えは、まだ本当は会社で働く気があったということの現れだったのではないか。会社で働きたい、心のどこかでそう思ってはいたけれど、会社の中の彼らの言う“変な人たち”のせいで働けなかった、と。
そして畳みかけるように釣り男は言う。
釣り男「会社に命を懸けてたか?懸けてたらこんなところに来てはないやろうけど。おんなじやで?ここも。ほんまの命懸けやし。そんな格好、すぐしてられへんようになるで」
釣り男は昔会社で命がけで働いていた会社員だったのではないか。
そしてこの今のアリマ、アリヨシにとってはとてもぐさりと刺さる言葉。
路上生活も会社も同じ。生きるために命を懸ける。
どこでも生きるために楽な道なんてないということ。
人間はどうしても楽な道を選んでしまうけれど、どんな境遇、どんな仕事であっても、生きていくためには平等に命懸けなのだと強く言われているようだ。
〇突然現れるウサギ
「不思議の国のアリス」の作者、ルイスキャロルはアリスとの対比だったと述べているそうで。
ということは、この作品内ではアリーズとの対比ということ。
同じようにスーツを着ている、アリーズとウサギ。
しかし、アリーズは緩めたネクタイにワイシャツの首元のボタンを開けているのに対し、ウサギはきっちりとネクタイを締めてワイシャツのボタンは開けてすらいない。
つまり、後の放送回でお局の窓旗さんが「会社の歯車になりきれたら」と述べるのだが、つまりウサギは会社のルールに沿って生きていて、アリーズは会社のルールに沿うことができなかったということ。
この違いがワイシャツの着方に出ていたのではないかと思う。
〇アリーズが通るタイムトンネル
これはアリーズが辿ってきた、二人の歩みなのではないだろうか。
つまり、これまで二人を形作ってきたもの。
それはお母さんの躾だったり、小学校の先生の教えだったり。
きっと大人になっても二人の考えの奥底にはこの考え方や教えが根強かったはず。
〇シュレッダー屑
これは今まで会社を辞めた人たちだと思った。
もっと詳細に言えば、“会社に不必要と判断されたもしくは会社のルールに則ることができずに辞めていった人たち”だ。
後述するお局さまの窓旗さんが言う、「会社の歯車になれなかった人たち」。
つまり、ここに落ちてきたということは、アリマ、アリヨシの二人は会社を自分から辞めた、もしくは会社に不必要と判断された人たちということになる。
さて、この二人はどちらなのだろう。
二人は前者だと思っている。
「こんな会社にはいられなかった、自分たちだけがまともだった、だから辞めた」
本当にそうなのだろうか。
二人の言う“狂った”会社の人たちには二人が自分たちの考えとは違う“狂った”人に思えなかっただろうか。
立場が変われば見方が変わるというが、これはまさにその例だ。
自分も身につまされる思いがした。
〇ドアとクスリ屋の売る薬
これがめちゃくちゃ考察が楽しいんですよ!
このクスリ屋、本当に好きすぎてしんどくて!
末澤くんがしている役というだけではなく、外見、キャラクター、話し方。全てがドストライクで!
すみません、心の声がだだもれでした。
深呼吸したので、考察を続けたいと思う(別人格に早変わり)。
このドアは社会人になること、すなわち大人になることそのものなのではないだろうか。
会社という環境で(この話は会社の話なので、あえて会社に限定して言うが)、生きていくという覚悟があるのか。
それが「扉の向こうに行くにはそれなりの覚悟がいる」というクスリ屋の問いかけた言葉の意味だと思う。
私は大人の世界は、白と黒だけでは上手く説明できないように感じている。
「清濁併せ吞む」というべきなのだろうか。
小さい時のように、善悪の判断が酷く難しいように思うのだ。
はっきりとした白と黒がない世界。目の前では白く思えていても、いつの間にか黒になっている。
そんな不確かで曖昧な世界。
後述する(はずの)窓旗さんの開いていた会議室での「狂ったお茶会」で説明される「ルールは一つではない」という話がそれを表している。
ルールは一つではない、たくさんのルールが存在していること。
一つだけのルールでは世の中上手く行かないのだと。
話が逸れたが、クスリ屋の売っていた薬はその扉の向こうに行くための魔法の薬だったのだろう。
頑張ってもなんともならないことはどうしても世の中にあって、それでもそこで生きて行かなければならないから魔法の薬を使う。
自分の考えを変えたり、相手をねじ伏せたり、ありとあらゆる方法を使って。
それを意識的にしているか、無意識かの違いはあれど、自分を変幻自在に変えて適応しているのだ。
ここでクスリ屋の「頑張ったらなんでもできるよ!」がボディブローのようにじわじわと効いてくる。
そう、なんでもできるのだ。頑張ることができれば、の話だが。
だからこそ、クスリ屋は扉の向こうに行く覚悟があるのかを問いかける。
社会のルールが飲めるのか、自分を変えることができるのか、自分が変わっていくことに耐えられるのか、と。
ハイテンションでここまで考察を書いてきましたが、言葉って難しいですね(唐突)。
自分が考えていることを言葉にするってこんなに難しいことなのかと思いました。
声にして相手と会話するのであれば、適宜補足をすることもできますが、文字はそれができないのですから。
さて、あっという間にすごい文字数(約4000文字らしいです)のものができあがっていて自分でも驚いています。
この調子で残りの分も考察できるのでしょうか・・・。
疑問ではありますが、自分が満足するためにも、たくさん考察していこうと思います。
最後になりますが、ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。